湯抱温泉 中村旅館

基本データ
URL 島根県美郷町ホームページ より 中村旅館
住所 島根県邑智郡美郷町湯抱315-3
電話番号 0855-75-1250
営業時間
定休日
入浴料 大人500円
泉質 (掲示無し)
温泉分析書等 (掲示無し)
備考 必ず事前に問い合わせのこと
訪問日 2005.4.29

せっかく三瓶まで来たのだから、湯抱温泉にも どこか入りたかった。しかし巷は連休の最中。ダメ元覚悟で小屋原温泉の公衆電話から問い合わせ。1軒目はさっそく断られる。2軒目、こちら中村旅館さんに電話してみると、電話口に出られた女将さん、しばらく考えておられたが、まだ昼前だったので、すぐに来られるんなら、いいでしょうと受け入れてもらえることになった。

喜び勇んで、一路、湯抱温泉へ。静かな温泉地で、中村旅館も、年季を感じる静かな佇まいであった。

浴室は1つ、そこを家族湯として貸切で使わせてもらう格好になる。



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看板の後方に写っている建物は「齋藤茂吉鴨山記念館」。
歌人・齋藤茂吉は、万葉の歌人・柿本人麿の終焉の地を、ここ湯抱の鴨山としたが、これに関する資料が展示されているそうだ。

この日は俳句会が催されていた。

中村旅館へは、この看板から右に入っていく。
国道375号線の看板
シバザクラの絨毯に迎えられた
温泉街の雰囲気に馴染む
懐かしい赤ポスト
江の川の支流の尻無川の
流れが美しい
中村旅館の前の道路 中村旅館 外観
「ごめんくださーい、先ほどお電話した者ですが…。」おずおず玄関を入ると、ご年配の女将さんがニコニコしながら出てこられて「まぁ福岡から。遠いところから、よくおいでになりました。どうぞ、こちらです。」と、すぐに浴室へと案内される。

「あの…お金は、どちらでお支払いしたら…。」「上がってからでいいですよ、まぁ、まずはお風呂を、どうぞ、どうぞ。」
立ち寄り湯で料金後払いなんて、私はいまだかつて経験が無い。
祝日で、玄関には日の丸の旗 玄関 上がり口
玄関 玄関から奥を見る
浴室へは右側の廊下を進んで
玄関脇のソファ 湯上がりに
ここで お抹茶をいただいた
小ぶりの器に点てられたお抹茶
上品な お干菓子が2つ
玄関から浴室まで、このような通路を奥へ進んでいく。浴室まで女将さんがご案内くださった。
浴室入り口の暖簾 浴室内から見た脱衣場 黄色に変色した脱衣場の
張り紙も、いい味を出している
浴室内から、入り口付近を見る
浴室内へ目をやって、思わず感嘆の声。その床は、千枚田様というかクレーター様というか、芸術の域にまで達した析出に覆われており、湯船も その原型を留めていない。かなり白っぽい明るい褐色の析出なので、浴室内が明るく感じる。この色の析出は、初めて見たように思う。
浴槽 浴槽 別の角度から
壁はモザイクタイルで美しい
お湯も、白っぽいクリーミーなヤクルト色の濁り湯で、初めて見る色。浴感はサラッとしている。しばらく入浴者がいなかったのだろう、最初、湯の表面に湯の華の膜が張っていた。

「ウベゆ」と書かれたバルブをひねると、冷泉が出てくる。口に含むと、甘味を感じる しょっぱい味だった。それにしても うべ湯とは、随分懐かしい言葉である。
見事な析出が、洗い場に
千枚田を形成している
床を覆う析出が あまりに凄く
通常はバスマットが敷いてある
ヤクルト色の白っぽいクリーミーな湯
表面には、湯の華の膜が張っていた
こちらで、かかり水できる 洗い場は独立したスペース
こちらもモザイクタイルが美しい


浴室前の階段を のぼって、少しだけ2階を見学させてもらった。

すっかり良い気分になり、上がってお金を払って帰ろうとすると、「お茶をどうぞ。ちょっとお待ちください。」玄関脇のソファに腰掛けて、待つこと暫し。なんと「お粗末ですが。」とお抹茶が出てきて驚いた。

ありがたく頂戴しながら、しばし女将さんとお喋り。この中村旅館に来る途中、鴨山記念館の前を通りかかると、ちょうど俳句会が催されていたようだったが、昨夜は、その人たちが こちらに泊まられたそうだ。「この辺は柿本人麿の終焉地といわれてましてね。まぁ同じような伝説は、色々なところにあるみたいですが。」と笑いながらおっしゃる。

また、浴室内の析出は「自然に出来たものなんですよ。」との説明。あの見事な析出は、何年で出来ているのかと尋ねると、60年だという。分析書の掲示は無かったが、女将さんによれば、お湯には塩分、硫黄、鉄が含まれており、飲むと胃腸にも良いそうだ。「時間が経つと表面に塩分が浮くんです。」

実は、ここまで丁重なもてなしをいただき、非常に高額な入浴代を言われるのではないかと内心心配だった。いよいよ帰ろうという段になって「お一人様500円、お二人で1,000円ほどよろしいですか。」えっ、たったの500円でいいんですか!

温泉そのものも素晴らしいものだったが、ただの日帰り入浴客をここまで丁寧にもてなしてくださる旅館は過去に無く、女将さんのお人柄と共に強く印象に残った。帰り際には、玄関で三つ指ついて深ぶかとお辞儀して見送ってくださり、こちらも、思わず90°の最敬礼のお辞儀をして、失礼した。お客さんもお湯もとても大事にされる中村旅館に、いつの日か泊まってみたいと思った。




温泉めぐりモノグサ写真日記@九州  島根県  2005年04月一覧


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