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電話番号を入力しても、カーナビには登録されていない。「影ノ木」の地名を頼りに付近まで行くと「極楽温泉」の案内板。それに従って、さらに山の中へ進めば、田んぼの向こうに赤い屋根が見えてきて、さほど苦労することなく
たどり着いた。
男女別浴場のある建物は、木がふんだんに使われており、清潔に保たれ、清々しい。内風呂のみだが、脱衣場・浴室ともに広さは十分。お湯は無色透明の綺麗なもので、わずかに鉱物臭。大きな特徴は無いが、サラサラッと優しく、万人向け。常連さんの中には、位置的には近い「おさるの湯」の色付きモール泉が苦手で、こちらに通っているという方もおられたから、好みは人それぞれといったところだろう。そういう選択が出来ることが、うらやましくもある。
窓の外には、杉や桧の緑。耳に入るのは行く夏を惜しむツクツクホーシの鳴き声。さほどお客さんも多くなく、穏やかな時間が、静かに流れてゆく空間であった。 |