博多に残る古い町家

基本データ
住所 福岡県福岡市博多区
訪問日 2006.11.10

「博多部」と呼ばれるエリアは、いわゆる“博多”の中でも、より純粋な博多である。路地を歩くと、こういうレトロな風景にも出会える。



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吉武酒店



2007/09/11付 西日本新聞朝刊
博多・町家を歩く<6> 吉武酒店(福岡市博多区上呉服町) 会話弾む町の社交場

 店主の吉武イワ子さん(71)が「お帰り、今日はもうけんやったと?」と声を掛ける。「それがくさ、1−6−3だけ買うとらんやったんや」。そう頭をかきながら入ってくる福岡競艇場帰りの常連客。日が暮れるころ、吉武酒店は角打ちの客でにぎわいだす。

 店は、博多祇園山笠の追い山コースである旧東町筋から西教寺へ抜ける普賢堂筋にある。3階建てに相当する高さの白壁、曲がり角を生かした2つの間口、レトロな看板と存在感は十分。住居兼店舗として1926(昭和元)年に建った。

 角打ちのスペースは約5畳。木目の天井が温かい。常連の1人、町内で服仕立業を営む男性(72)は「店に来るのが日課みたいなもん。みんなで競艇の話とか体のどこが悪いとか話して、ストレスを発散しよる」と話す。客層は50−70歳代、職業もさまざま。町家の飾らない雰囲気とイワ子さんの笑顔に、客の会話は自然に弾む。

 昨年9月、台風13号のために白壁がはがれ落ちた。親せきに「もう家ば売って田舎に引っ込まんね」と勧められたが、イワ子さんは「そんなことしたら、じいちゃんが化けて出る」と断った。

 33年前に85歳で亡くなった義父の大右ェ門さんは、野菜の行商から身を興し、家を建てるために身を削ったという。嫁いできて以来、ことあるごとにそう聞かされてきたイワ子さんは「私が元気なうちは、屋敷は壊さんよ」。

 常連客は高齢化し、他界する人も出始めた。それでもイワ子さんは店に立ち、にこやかに客の相手をする。ほら、注文だ。「お母さん、イカの煮たやつもらおうかな」
昔ながらの佇まいの吉武酒店
上呉服町にある
角打ちが出来るそうだ
ゴロニャァ〜ン 吉武酒店の前にて
古い町並みには、猫が よく似合うんだよにゃぁ〜

吉武酒店
住所:福岡県福岡市博多区上呉服町6-17
地図こちら(MapFanWeb)





聖福寺の勅使門のすぐ前に建つ、古い民家。 玄関脇に掛けられているのは
お汐井篭(おしおいてぼ)



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