平成19年度 長崎くんち くんちの夕べ(於・公会堂前広場)

基本データ
URL 鎮西大社 諏訪神社 > 例祭(長崎くんち)
長崎くんち<長崎伝統芸能振興会>
長崎くんち塾
長崎くんち(長崎新聞社)
住所 長崎県長崎市
開催日 長崎くんちは、毎年10月7日〜9日開催
資料/出典 各ホームページ、朝日新聞(長崎版)2007年10月5日記事
訪問日 2007.10.7 (17:10〜21:00)

長崎くんちは、長崎市の氏神・諏訪神社の祭礼行事で、毎年10月7・8・9日の3日間開催される。昭和54年に国重要無形文化財に指定されている「長崎くんち奉納踊」は、各町が7年に一度ずつ奉納する踊りで、その当番の町「踊町(おどりちょう)」は、毎年5〜7ヶ町。7年一巡制は、江戸時代からの伝統を踏襲したものだそうだ。

今年も、公会堂前広場の「くんちの夕べ」にて、その奉納踊りを見物することができた。これは、市民や観光客のために、長崎伝統芸能振興会などが運営しているもの。流れの中で、その都度、越中哲也さんという方の解説が入るため、おくんち初心者にも内容がわかりやすい。越中先生は、長崎について語らせたら右に出る者はいないと言われる郷土歴史家で、地元では超有名人らしい。また、他の踊り場の場合、桟敷券は4人一マス単位でしか購入できないのに対し、ここは一人単位で購入できるので、お気楽。もっとも、昨年、自力で入場観覧券を入手しようとしたときは力及ばす、見られなかった。今年も長崎市在住のT先生に大変お骨折りいただいた上、その券をプレゼントしていただいた。感謝の言葉も無い。

さて、長崎くんちには、独特の掛け声がある。アンコールを意味する「もってこーい、もってこい!」、「しょもーやれ!(=所望するからもう一つやれ)」、傘鉾が回るときに掛ける「ふとーまわれ!(=大きく回れ)」、そして、「演し物(だしもの)」が上手に決まったときの称賛「よいやぁ!(=良い哉、やった!)」。厳しい練習を積み重ねて披露される各踊町の熱気のこもった「だしもの」と、渦となって会場を包み込む観客の掛け声は一体となり、興奮は絶頂に達する。大盛況のうちに、今年の踊町7ヶ町分すべてが終了したとき、時刻はすでに21時。「え、もう4時間も経ってんの?」と言いたくなる程、あっという間の時間だった。

詳細は、長崎くんちを専門に扱ったホームページを見ていただくとして、ここでは写真と動画で、その雰囲気を少しばかりお伝え出来たらと思う。「くんちの夕べ」は全席自由なので、良い席を確保するためには、皆さん早い時刻から並んでいるが、私たちが入場したのは17時前。それだけ遅い時刻に行った割には、そこそこの場所で見られたのはラッキー。ただ後方だったため、目に入るのは、やたらとお尻が多かったのは仕方あるまい。また、暗くてブレブレの写真より動画の方が面白いが、そうなってくると手持ちのSDカードだけではメモリーが到底足りず、最後の麹屋町の川船なども、きちんと映せなかったのが残念。



写真をクリックすると拡大表示、矢印キーでスライドします。


長崎くんち・チラシと
くんちの夕べ・入場観覧券
公会堂前広場 南側入り口
7つの踊町の提灯をくぐって入場
公会堂前広場の踊り場は全席自由
前売り入場観覧券は一枚より購入可能、事前に完売(当日券無し)
縁起物の「まきもの」を取ろうと
総立ちの観客
撒かれるときは、こんな状態 馬場地下歩道の「唐子くんち画」パネルより
長崎くんちの説明
今年は、なんと4本の手拭いをゲット!
7ヶ町のうち4ヶ町分が飛んでくるとは高確率!
(写真撮影:T先生)馬場地下歩道の「唐子くんち画」パネルより
今年の踊町が勢揃いの傘鉾行列

開演に先立ち、町の世話役や出演者が、「まきもの」といわれる引き出物を一般観客席にばら撒く。町じるしや、その町の「だしもの」に因んだ図案を染めた日本手ぬぐいが多いそうだ。各町ごとの“ご挨拶”が終わると、観客は総立ちとなり、この縁起物をキャッチしようと一斉に両手を挙げて構える。競争率は非常に高い。

おととし、T先生と一緒に初めておくんちを見物したときは、私は一つも拾えなかった。それが今年は、友人も私も二人とも、なんと4ヶ町分の手ぬぐいをお土産に持ち帰ることができたのは、なんと幸運な!!うち2ヶ町分は、友人が2本ずつ拾ったもの。グラバー園でハート型の敷石を2つ見つけたのは彼女だが、さっそく、そのご利益(?)だったのだろうか。

さて、以下は、「奉納踊(ほうのうおどり)」。その年に奉納踊りを披露する当番の町は「踊町(おどりちょう)」といわれる。今年の踊町は7ヶ町。各踊町ごとに、町のプラカードの役目を果たす町じるしの「傘鉾(かさぼこ)」を先頭に、工夫を凝らした「演し物(だしもの)」(踊り、曳物、担ぎ物、通り物)が奉納される。



興善町(こうぜんまち)


【だしもの】 傘鉾・本踊(石橋)


傘鉾の飾物(だし)は、白木八つ脚の台に烏帽子と神楽鈴をいただき、両側に紅葉を配す。輪は〆縄飾り。幕は塩瀬、垂幕(たれ)は裾から緋の隅取り、上に五彩の雲、三社の紋を金糸で刺繍。

本踊は「石橋(しゃっきょう)」。能に由来する舞だそうだ。
傘鉾 「ふとーまわれ!」
所望踊り動画(2分17秒)

所望踊りには、今回から町内の子ども10人も加わった。将来の踊り手の育成を考えてのことだそうだ。
本踊 獅子を演じたのは、37歳と33歳の姉妹
踊り手がかぶる獅子頭は重さ3.5kgあるとのこと
4歳〜小学生の子どもによる
所望踊り(アンコールの踊り)


八幡町(やはたまち)


【だしもの】 傘鉾・弓矢八幡祝い船・剣舞


傘鉾の飾物(だし)は、朱塗りの矢立てと弓2張り、そこに八幡さまの使いの白鳩が3羽止まる。輪は〆縄飾り。垂幕(たれ)は高貴織友禅染「男山八幡の景」。八幡さまの本宮である京都・男山八幡の景に白鳩が羽ばたく様子が描かれる。高さは二間半(約4.5m)あり、長崎で一番高い傘鉾。

八幡町 傘鉾 (2分33秒)
傘鉾 傘鉾を先頭に入場、ご挨拶
町名の由来にもなっている八幡神社は、弓矢八幡とも呼ばれ、武勇の神。

この八幡神社の開祖・大覚院存性坊が山伏だったことに因んだだしものが奉納される。
先頭は山伏 可愛い山伏さんたち
弓矢八幡祝い船(4分58秒)

「弓矢八幡祝い船」は、山伏たちが諏訪神社に奉祷文を奉納しようと、侍大将に守られながら長崎に入港した模様を表すもの。
「弓矢八幡祝い船」の奉納 今回の根曳衆(ねびきしゅう)の平均年齢は28.45歳


西濱町(にしはまのまち)


長崎くんち 西M町 龍船 ジャブネットブログ
【だしもの】 傘鉾・龍船・本踊


傘鉾の飾物は、大名の遊具の貝合わせの貝桶、紅葉2株と白菊。垂幕は中国姑蘇十八景図と三社紋があり、前日と後日で使い分ける。輪は黒羅紗で、ローマ字の町名が金糸で刺繍されている。

西濱町 傘鉾(1分53秒)

だしものの「龍船」(じゃぶね)は、長崎の貿易商、荒木宗太郎が安南国から王族の娘、アニオーさんを嫁入りさせた時、乗せてきた船とその豪華な行列を表現しているそうだ。
傘鉾
龍船の舞台の上と下を使い、長崎検番が「龍囃子(じゃばやし)」に合わせ本踊りを奉納する。プロの芸妓さんたちの踊りを見られる貴重な機会だ。

本踊(2分32秒)
龍船は長さ10.6m、幅1.6m、高さ4m、重さ約3トンあるそうだ。

龍が口から白い煙を吐きながら回転する場面も!

龍船(4分14秒)
龍船のやかたが2つに割れ
舞台に早変わり!
龍船は長崎最大の曳物


万才町(まんざいまち)


長崎くんち 万才町
【だしもの】 傘鉾・本踊

傘鉾の飾物は、朱塗りの盃と神楽鈴、御幣。盃の金文字「萬歳」は、故・北村西望氏が百歳のときに書いたもの。垂幕は塩瀬、金銀にて亀甲形の模様に鶴の刺繍。

「新しいことに挑戦したい」と本踊にシンセサイザー演奏を取り入れた前回に続き、今回の本踊は、「長崎ぶらぶら節」「でんでらりゅう」など長崎の民謡や童歌で構成する組曲をバックに、三味線が重ねて演奏。現代的で、華やかな踊りだった。

所望踊りの「長崎万歳」では、7人の男性コーラス隊も登場。男性が踊り場に立つのは、初めての試みだったそうだ。最後には、観客も皆、両手を挙げて「ばんざい」しながら楽しく参加、会場は盛り上がった。



銀屋町(ぎんやまち)


長崎くんち「銀屋町鯱太鼓」応援サイト  銀屋町は、平成19年1月、念願の旧町名復活を果たした。
【だしもの】 傘鉾・鯱太鼓


傘鉾の飾物は、流金出世鯉(るきんしゅっせごい)という名前がついている。江戸時代、銀屋町が尾張徳川家に銀細工を献上していたことから、名古屋城の金のシャチホコを飾に使おうとしたが、尾張藩への遠慮もあり「鯱」とは言わず「出世鯉」と呼んだとか。輪は黒のビロード。銀細工の水玉(しぶき)が配されている。

銀屋町 傘鉾(31秒)
傘鉾
鯱は紫色の紐を銜える
据太鼓の奉納
太鼓の出演時間は3分30秒
天空目指す蓬莱の鯱(しゃち)が、やがて黄金の龍となり、人々に吉祥を招くという「蓬莱鯱伝説」。担ぎ手は、黄金の鯱を台座に乗せた太鼓山を、何度も上げ下し、宙に放り上げ、そして片手でつかむ。体力の消耗が激しいため、54人が交代で担ぎ手を務めるそうだ。

最後は木遣 「祝いめでた」を歌いながら、奉納場所を後にする。

鯱太鼓(3分51秒) ホーライコ=蓬莱鯱  据太鼓(2分38秒) 所望に応じて
鯱太鼓 鯱は赤い紐を銜える
山車は約750kg、担ぎ手38人


五嶋町(ごとうまち)


ながさきくんち 五島町 龍踊り
【だしもの】 傘鉾・龍踊


傘鉾の飾物は、白菊とススキの中に、ナツメ形と六角の虫篭があしらわれている。垂幕は、日本三景を描いたもの。約150年ほど前の作。都菊を描いた垂幕は120年ほど前から伝わるそうだ。輪は黒ビロードに金糸で三社紋を刺繍。

だしものは、前々回まで奉納されていた「本踊」から、前回、「町内総出で作り上げるものを出したい」と「龍踊」に変更され、今回で2度目の奉納。
龍(じゃ)の重さは約120kg、龍衆(じゃしゅう)43人によって操られる。緩急、静動メリハリある動きはダイナミックで、龍は生き生きと躍動感溢れる。
傘鉾
とても秋らしい風情の飾物
龍踊(7分55秒)

龍踊りは人気のだしもの。一般的に、長崎くんち=龍踊のイメージを抱く者も多いのではなかろうか。私も、長崎ランタンフェスティバルで見た龍が切っ掛けで、長崎くんちにハマった一人。

なぜか爆竹が無かったのが、ちょっと物足りなかった。
龍踊
子龍は出ず、大人の龍一本
諏訪神社前・電停地下道
ガラス画より


麹屋町(こうじやまち)


麹屋町
【だしもの】 傘鉾・川船


傘鉾の飾物は紅梅、熨斗、麹蓋。麹蓋には町名が記されており、文久2(1862)年の作。輪は〆縄飾り。垂幕はつづれ織り、三社紋ちらし。 川船は、町のそばを流れる中島川のコイにちなみ、屋根に真鯉と緋鯉が飾られている。

長崎の川船の中でも、最大級のもの。
傘鉾 小学生の船頭さんが作り物の魚を
投網で上手に全部とらえる場面

川船 (15秒)  手持ちのメモリーがいっぱいで、写真も動画も十分に撮れなかったことが残念…。

重さ約3トンの川船を回す根曳衆は22人。昨年10月から走り込みとエアロビを開始し、体力をつけてきたそうだ。また、今年は車輪が従来のステンレスから鉄に新調され、重量感を増したとのこと。船回しは基本に忠実で、反対回しはしない。最後のクライマックスは5回回しの大技。

観客席に突っ込まんばかりの勢いで、とても激しくダイナミックな動きに、観客も「よいやぁー!よいやぁー!」の大歓声。川船の屋根から水しぶきが噴き上がる演出などもあって、会場は大いに盛り上がった。




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