博多温泉  元祖 元湯

基本データ
URL 知っ湯と?[しっとうと?]福岡の温泉〜福岡県観光温泉地協会〜
より 博多温泉
住所 福岡県福岡市南区横手3丁目6-18
電話番号 092-591-6713
営業時間・料金 9:00〜15:00 900円、15:00〜18:00 550円、
17:00〜18:00 350円  ※小学生以下半額
水曜日(定休日前日)は17:00閉店、夕方の部1時間繰り上げ
定休日 毎週木曜日
泉質 カルシウム・ナトリウム−塩化物温泉
温泉分析書等 源泉名:元祖 元湯 源泉の湧出地:福岡市南区横手3丁目6-18
源泉から浴槽までの距離:0m(浴槽下に源泉)
泉温:源泉48.0℃、使用位置47.0℃
湧出量:120L/分 湧出形態:動力揚湯(掘削深度50m)
陽イオン計1880.2mg、陰イオン計2940.2mg、
メタケイ酸38.5mg、メタホウ酸2.9mg、遊離炭酸2.2mg、
遊離硫化水素0.0mg (温泉の分析年月日:H7.12.20)
備考 シャンプー&石鹸類 無、ドライヤー無
訪問日 2004.5.4 / 2005.11.18 / 2008.5.5

福岡市南区に博多温泉という天然温泉が湧いていることは、市内に住んでいる人でも、存外知らない人は多い。

ところが、いわゆる「鄙び」という浴室の雰囲気を珍重する傾向の温泉マニアの間では、全国的に名を知られた有名な“秘湯”がある。それが、この元祖元湯だ。お湯そのものも、加温加水一切無しの完全掛け流しで、惜しみなく使われている。マニアも文句のつけようが無いというもの。

「うちは、遠方から来る人は多いのよ。最近は、インターネットで調べて来られるみたいね。」と、女将である幸子さん。この日も、昼間は東京や神戸からのお客さんがあったそうだ。

女将さんのお話によると、この元湯が最初に採掘されたのは、昭和41年(1966)年。そもそも自宅の井戸を掘ろうとしていたら、温泉に当たったのだという。こちらのご主人の安部隆典さんは、元・警察官。「うちは主人が公務員だったから、経済的にも温泉での儲けを考えなくてよかったし、商売っ気が無いのよねぇ。」浴舎は、自分たちで手造りしたものだそうで、約40年を経た現在も、当時のまま大事に使い続けられている。「木のぬくもりがあって、ほっと落ち着けるこの雰囲気だからこそ、ここは いいんですよね。」と申し上げると、「皆さん、そうおっしゃいますね。息子は、新しい温泉施設にやり変えようと言うけど、常連さんからは、ここは、このまま建て替えたらいかんよ、と、いつも言われてるの。」と、ニッコリ。



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初めての訪問だと、場所は、かなり分かりづらいと思う。周辺は民家ばかり。こんなところに本当に温泉が湧いてんの?と言いたくなるような、静かな住宅地の中にある温泉なのだ。

山陽新幹線の引き込み線である「博多南線」沿いの道路(いわゆる「新幹線通り」)からの入り口付近には、左写真のような「元祖 元湯」の看板が立っている。
新幹線通からの入口付近
新幹線通りから少し入ると、元湯の駐車場がある
車での訪問時は、こちらへ駐車されたし
車一台がやっと通れる幅の、細い道路に面して建っている
野を縦に
横手の川の
流れこば

浮べる鳥も
ここに見ましを
道路を挟んだ前のスペースには、「博多温泉記念碑」がある 大隈言道の歌
外観 通り南東側から見たところ
手前は、安部さんのご自宅
「奥博多温泉郷発祥の地
元祖 元湯 由来記」
営業時間外には、この札が
木の門扉の外に掛けられる
敷地入り口付近から 玄関付近から振り返ったところ 玄関付近
昔は宿泊もやっていて、現在 休憩室として使われている2階の部屋は、当時は宿泊部屋だったそうだ。女将さん曰く「でも、宿となると、やっぱり人を雇わないといけないでしょ。当時で5人使っていたものね。」10年ほど前から宿泊受け入れは止め、今は公衆浴場として日帰り入浴のみの営業。

2008年5月訪問時、入浴前に、女将さんに「病院に行かないといけないから、午後6時には門を閉めますよ。」と念を押された。なんでもご主人が入院中なのだとか。いつも番台で迎えてくれていたご主人なのだが、心配だ。「もう80歳を越しているからねぇ。」
白い板の向こうは、男湯の
脱衣場への渡り廊下部分

源泉温度が48℃と高い元湯の場合、幸いなことにボイラーは使われていないため、燃料代高騰の心配はしなくても済むが、オーナーさんご夫妻やご家族の無理にならない範囲で、なんとか長く一般開放を続けてもらいたいものだ。なんといっても福岡市における、誇れる本物温泉なのだから。



建物内部の様子


玄関から見た番台と
浴室入口付近
ご案内 頭上に掲示されている
温泉分析書や適応症
浴室入口のガラス戸に掲示された
博多温泉旅館組合による文書
「午後3時から入浴料金が550円になるから、その時間に来て、2階でゆっくりしてらっしゃい。」女将さんに、いつもそう案内される。

2階の休憩室の壁に掛かっている荷物の袋は、常連さん達の“マイ・パジャマ入れ”とのこと。皆さん、我が家感覚でゴロリと休憩してゆくという。休憩室への弁当の持ち込み可。
浴室入口
向かって左が男湯、右が女湯
浴室入口の頭上の注連飾り
使いこまれた2階への階段 2階、休憩室前の廊下  廊下の突き当たりに、お手洗い 2階、休憩室

私は休憩室でゆっくりしたことはないが、料金がさらに安くなる午後5時からは、地元の人や常連さんが一気に集中し、ただでさえ狭い浴室は、とても窮屈になる。当然ながら、たまの訪問客は、常連さんたちの好奇心の格好の対象となり、あれやこれやのお喋りに応じなければならない。もし、地元の方との そういうコミュニケーションが苦手な方は、やはり早めの午後3時から訪問して、のんびり静かに手足をのばすのがお勧めかもしれない。

女将さんからは、故・亀井光福岡県知事らも、よくここに入りに来ていたとお話を伺った。なんでも温泉に入って、2階の休憩室で碁を打って、休日を楽しまれたそうな。



男 湯


四角い浴槽が1つ  2、3人も入れば、いっぱいの広さ
湯口付近には、飲泉カップが用意してある
浴室内の掲示パネル
無色透明のお湯は、とても澄んでいて綺麗。少しばかり海の磯臭さのような匂いを感じる塩湯で、湯上がりも湯冷めしにくい。

元湯の特徴は、とにかくお湯の温度が熱いこと。48℃の源泉がダイレクトに送り込まれる浴槽は、加水が一切出来ないようにしてあり、湯船での温度の実測値が46〜47℃程あるのが普通。熱いお湯が苦手な人は、入るのは難しいかもしれない。

浴槽には、常にチョロチョロ掛け流してある源泉の他に、30分に一度ずつ、コンプレッサーでガボガボと大量の源泉が送り込まれる。この時間帯は、浴槽からオーバーフローするお湯で、洗い場は洪水状態。いやはや豪快な眺めである。
脱衣場から浴室への入口付近と
洗い場を見る

ただし、高温の源泉が、この勢いで常時浴槽に注がれていたら、とてもじゃないが人間が入れる温度ではなくなってしまうだろう。よく観察して、工夫を重ねて、30分に一度という今のサイクルに落ち着いたのだと思う。

女将さんに伺った話では、源泉の井戸の深さは40m、お湯は地下2mのところまで自噴しているらしい。理屈から言えば、地面を2m以上掘り下げた位置に浴槽を作ってやれば“足元湧出”が実現するわけだが、「それも考えたんですけどね、そうしてしまうと、排水が大変なので、やめました。」確かに、後々の維持管理の負担を計算するのも大切なことだと考えさせられる。

なんでも同じ1本の井戸の中の、深さの異なる2ヶ所から揚湯しているそうだ。浴槽に常時チョロチョロ掛け流してある方は、深さ2mの位置から浅い井戸用のポンプで汲み上げられる源泉で、30分に一度ずつ大量に投入されるお湯は、深さ40mの位置からコンプレッサーで揚湯している源泉とのこと。



女 湯


脱衣場の入口方向を見る 脱衣場 脱衣場 奥が浴室入口 浴室入口付近を見る
女湯の浴槽は、台形をしている
脱衣場も浴槽も、女湯の方が男湯より やや広め
浴槽の奥の隅、湯面下にのびているパイプ湯口から
30分に一回ずつ、コンプレッサーで大量の源泉が投入される
洗い場の方を見る 手作り感あふれる、素朴な味わいが魅力の浴室
脱衣場からの入口の方を見る 男女の仕切り壁の方を見る 浴室内の掲示パネル



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