塩浸温泉 福祉の里

基本データ
URL 霧島市公式ホームページ−霧島市牧園塩浸温泉福祉の里
住所 鹿児島県霧島市牧園町宿窪田3606
電話番号 0995-76-0007
営業時間 4月〜9月 9:00〜18:00、10月〜3月 9:00〜17:00
定休日 年末年始(12月31日・1月1日)
入浴料 大人250円、小人(小学生)110円、未就学児 無料
泉質 ナトリウム・マグネシウム・カルシウム−炭酸水素塩泉
(低張性,弱アルカリ性,高温泉)
温泉分析書等 源泉名又は泉源番号:塩浸温泉No9
(1)源泉所在地:姶良郡牧園町宿窪田3610
(2)使用施設名及び所在地:姶良郡牧園町宿窪田3607
泉温:源泉51.5℃、使用位置50.0℃
性状:湧出地 微黄色透明,弱収れん味無臭、pH6.4
ラドン含有量:2.5(百億分の一キューリー単位)
成分総計:2543mg/kg (温泉の分析:H14.9.19)
備考 備品・ドライヤー等無
昭和44年7月開業、平成21年3月31日をもって閉館
訪問日 2009.1.10

塩浸温泉は、私は好きなお湯の一つだ。ところが昨年、老朽化のため、塩浸温泉福祉の里が平成20年度末で廃止されるというショッキングなニュースが飛び込んできた。入浴できなくなる前に、記録として心残りの無いように写真を撮っておきたく、お別れかたがたの訪問となった。

受付で「3月末で閉館して無くなってしまうとは、寂しいですね。」と言うと、オバチャン「建物は、もう40年経ちますからねぇ。」管理人のオジサンによると、福祉の里の建物は取り壊し、その跡地は、来年2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」に向けて公園として整備するような話も出ているらしいが、予算の関係等もあり、まだ計画が具体化している訳ではないという。

2008年は、NHK大河ドラマ「篤姫」ブームで、鹿児島のゆかりの地を訪ねた観光客も多かったようだ。その影響で、塩浸温泉に立ち寄ったついでの入浴者も増加したろうと思う。しかし、以前、管理人のオジサンとお喋りしたときには、利用者は非常に少なく、公営温泉だからこそ存続できているような話しぶりであった。廃止決定には、施設の老朽化という要因とともに、利用者数の問題も勘案されたのではないかと勝手に憶測してみたりもする。

なお、裏手にある「鶴の湯」の浴舎は残され、一般開放も続けられるような話だったが、今後、実際どうなってゆくかは、まだ断言できない気もする。歴史ある塩浸温泉が、どう再整備されてゆくのか、私も見守っていきたいと思う。


写真をクリックすると拡大表示、矢印キーでスライドします。


龍馬ゆかりの温泉 再生へ 霧島市 「龍馬伝」控え整備検討 (西日本新聞より一部転載)

 鹿児島県霧島市は、老朽化している温泉施設「塩浸(しおひたし)温泉・福祉の里」を再整備も視野に本年度末でいったん廃止する。塩浸温泉は坂本竜馬が「新婚旅行」で訪れた場所。2010年には竜馬を主人公にしたNHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送が予定され、脚光を浴びることも予想されることから、観光資源として跡地の活用を検討する。

新婚旅行地「塩浸」の施設廃止

 塩浸温泉は、1866年に寺田屋事件で負傷した坂本竜馬が妻お竜(りょう)とともに、西郷隆盛たちの勧めで滞在、湯治した。二人の旅は日本初の新婚旅行ともいわれる。今回、再整備に向けて廃止される施設の近くには、竜馬がつかったといわれる湯船があり、竜馬とお竜の銅像も建っている。
 施設は鉄筋コンクリート三階建て。1969年に宿泊・入浴施設を備えた旧牧園町営「塩浸温泉センター」として開業した。90年には運営が同町社会福祉協議会に委託され、現名称に変更。宿泊部門は廃止され、施設は高齢者のデイサービスに利用している。
 現在、一般開放されている入浴施設は昨年度、2万5千人が利用したが、タイルがはがれたり、天井のコンクリートが落下したりするなど老朽化が進んでおり、このままでは注目されても集客が望めないと判断した。
西日本新聞
2008年11月29日朝刊
いわさきバス
「塩浸温泉」バス停
記念タオル 1枚350円 国道223号線を よく走る温泉好きの人にとっては、
この「塩浸温泉福祉の里」の看板は、見慣れたものである
天降川に架けられた
赤い欄干の橋を渡って

昔、鶴が傷をいやしたというので「鶴の湯」ともいわれていた。その後、川岸の岩に塩かきがついているのを見つけて、塩浸温泉と呼ぶようになったそうだ。
国道沿いの説明パネル
「塩浸温泉」
写真奥が浴室の建屋 浴室からの垂れ流しによって
川には析出の丘が出来ている
龍馬が霧島の旅の中で一番滞在した地が塩浸温泉であり、合計18日間滞在したそうだ。

それにしても、2008年NHK大河ドラマ「篤姫」ブームのおかげで、こんなパネルまで「龍馬ゆかりの地」ではなく「篤姫ゆかりの地」になってしまうのは、なんとも。
『篤姫』ゆかりの地 福祉の里 玄関付近
「鶴の湯」も、午後5時までは一般開放されている。午後5時以降はジモ泉になるという面白いシステム。

管理人さんの話では、こちらの浴舎は、要望の声も多く、残すということだが、さて。
塩浸温泉福祉の里
利用のご案内
福祉の里本館の裏手、山側に
共同湯「鶴の湯」がある
泉源と「鶴の湯」


館内の様子


玄関付近 玄関から、受付と奥を見る ぬいぐるみ、かわいいねぇ
坂本龍馬の説明などが
掲示してある
塩浸温泉の古い写真のコピーが
張ってあり、興味深い
鶴の湯 温泉プールだそうだ
男女別大浴室には、ここから
通路を奥へ、奥へと進んでゆく
畳敷きの広い休憩室 窓の外に
坂本龍馬・おりょう湯治の浴槽が
休憩室横の長い通路を進む 大浴場は、さらに奥
龍馬・おりょうの像を見に来た観光客だろうか、女湯の方は、たまたま若いお客が重なり、8〜9人で湯船はいっぱい、いっぱい。いつも来ているという地元のオバチャンいわく「こんなに人が多いのは、初めてだわ。」30分も経つと一気に人が引いて、一転無人に。帰りに受付で「今日は多かったですね。」と話したら、「そんなもんですよ。多かったり少なかったり、ムラがあるみたいです。」と笑っておられた。
この通路を進めば ようやく男女別の浴場


男 湯


入口付近 細長い脱衣場 扉を開けると…
入口付近から
湯口 湯尻付近の洗い場の床は、鉄分で赤く染まり、析出が見られる この浴槽は、現在
使われていない
女湯浴室に比べて、男湯浴室はかなり広々している。浴室中央にデ〜ンとある湯船も、女湯より男湯の方が大きい。

緑がかって見える土類泉の褐色のお湯は、笹濁りといったところ。掛け流しなのだが、塩素消毒を施してあるため、飲用は不可。塩素臭は特に感じなかった。湯口からの湯を少し口に含んでみると、甘みもあり、炭酸をかなりはっきり感じる。気持ちよい泉質だ。
洗い場の方を見る 浴室の窓から天降川を見る


女 湯


入口付近 入口を入った壁には、
平成14年の温泉分析書の掲示
板敷の脱衣場
男湯に比べ、脱衣場は女湯の方がかなり広い
脱衣棚の上には、手書きの
平成4年の温泉分析書
レジオネラ菌対策で
塩素系薬品が使用されている
浴室入口付近から奥を見る
川に面して広い窓になっており
日が差すと浴室内は明るい
浴室の奥から、入口の方を見る
湯口付近 湯尻から流れだす湯で、洗い場は赤く染まり、析出が見られる
緑がかって見える褐色の湯 一応シャワーのある洗い場
お湯の出が悪いようだった
現在は使われていない浴槽 浴室の窓から
本館の建物と天降川を見る


坂本龍馬・おりょう 湯治の浴槽


塩浸温泉の敷地には、新婚旅行でこの地を訪れた坂本龍馬と妻・おりょうの銅像が建っている。

また、その際つかったとされる湯船も川沿いに残っており、天降川の対岸から、または本館の窓から見学できる。ただし、一般の者は、湯船のある場所まで立ち入れないのが、なんとなく残念だ。
坂本龍馬と妻・おりょうの銅像 坂本龍馬・お龍新婚湯治の碑
川沿いの湯船が、わかるかな? 対岸から見たところ 本館1階休憩室の窓から
下を覗き込むと…
こんな感じで見える



温泉めぐりモノグサ写真日記@九州  鹿児島県  2009年01月一覧


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