カトリック黒崎教会

基本データ
URL 長崎県東京事務所 > ながさきの教会 > 黒崎教会
長崎県「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」 より 黒崎教会
■あっ!とながさき より 黒崎教会
■ながさき巡礼 長崎の教会を訪ねて より 黒崎教会
住所 長崎県長崎市下黒崎町1356
電話番号 0959-25-0007
見学時間 6:00〜18:00 (ミサ等実施時は入場制限あり) 
定休日 無休
見学料 無料
備考 教会内も一般公開されているが、見学の際は十分に配慮すること
訪問日 2009.2.6

長崎市の外海は隠れキリシタンの里として知られ、五島列島はじめ長崎県内外のカトリック信者の発祥の地。旧外海村の切支丹部落として、隣りの出津部落と共に知られる黒崎部落。その黒崎の地に建つカトリック黒崎教会は、遠藤周作の小説『沈黙』の舞台になったことでも有名だ。

ロマネスク様式のレンガ造り聖堂は、大正9年完成。丁寧に積み上げられたレンガが、信徒たちの信仰の深さを物語るようである。ステンドグラスの光が差し込む聖堂内は奥行きのある三廊式こうもり天井で、厳かで重厚な空間。心静かに祈りを捧げたい。なお黒崎教会の説明は長崎県東京事務所のホームページに詳しいので、興味のある方はそちらを見られたし。

私は黒崎教会のことを2005年に知り、それ以来、行きたいと望んでいた場所の一つ。4年を経てやっと訪問が実現、嬉しい。



写真をクリックすると拡大表示、矢印キーでスライドします。


国道202号線、南から
少し高台に建っている
さいかい交通「黒崎教会前」
バス停で下車すると、目の前
石段の途中「黒崎カトリック教会」
国道からも目に入る金文字
石段をのぼり詰めたところから
国道の方(南)を振り返る

カトリック黒崎教会の歩み  (改修記念碑より転載)

1571(元亀2)年1月下旬頃、カブラル神父らが初めて外海地方を布教し、各地に15の教会が出来た。厳しい弾圧の中で、日本人伝道士バスチャン、次兵衛神父らの指導により、信仰を守り子孫に伝えた。1865(慶応元)年信徒発見後、1867(慶応3)年クーザン神父が訪れ、辻村三次郎宅でミサが捧げられる。ここは信徒の集会所でもあった。

1871(明治4)年から新聖堂完成まで湯穴に聖ヨゼフに捧げられた聖堂があった。

1887(明治20)年 黒崎小教区として独立。

1897(明治30)年 信徒が増え、ド・ロ神父の指導により聖堂建設を計画。3つの候補地の中から、海からも山からも見える現在地に決定。信徒総出で3年がかりで敷地を造成。

1899(明治32)年9月30日聖堂建設に着手。資金難のため一時中断。

1920(大正9)年12月18日計画以来23年、子供まで煉瓦運びに奉仕するなどの苦労の末、ロマネスク様式赤煉瓦造りの現聖堂が竣工。翌19日コンバス司教によりイエズスの聖心に献堂される。

1946(昭和21)年 アンジェラスの鐘新たに設置。

1955(昭和30)年 司教館改築。

1962(昭和37)年 共同墓地整地。1975(昭和50)年 教会霊園として拡張整備。

1989(平成1)年7月〜90年5月 聖堂と石垣の改修。聖堂は70年、石垣は90年が経ち傷みが激しく各戸より多額の負担を行うとともに、黒崎出身者及び有志の浄財と献身的な奉仕により改修を行う。

1994(平成6)年12月 信徒館落成。

1997(平成9)年3月 駐車場などの周辺整備。計画以来10年、大改修が終わる。

先人の足あとをここに記し、改修記念としてこの碑を建てる。

A.D.2000 大聖年(平成12年) カトリック黒崎教会
黒崎教会 全景(南から)
マリア像に迎えられる
「カトリック黒崎教会の歩み」が
マリア像の台座に刻まれている
エコミュゼ外海の看板
ちょうど水仙の花が綺麗だった
掲示板
常任の神父が派遣されたのは1879(明治12)年。ド・ロ神父(1840〜1914年)が黒崎と出津を兼任していた。この教会堂の設計は、そのド・ロ神父がされたと伝えられている。
しかし、信徒たちの貧しい生活から教会建設計画は進展せぬまま、ド・ロ神父は1914(大正3)年に逝去してしまう。

現教会堂は、ド・ロ神父亡き後の1918(大正7)年、岩永信平神父の時にようやく着工され、工事は後任のバルブ神父に引き継がれて、1920(大正9)年に完成・献堂されたもの。施工は、地元・黒崎の大工棟梁・川原忠蔵(1861〜1939年)父子。

敬虔な信徒たちがレンガを一つ一つ積み上げて築いた聖堂は、奉仕と犠牲の結晶である。
裏手の別棟トイレの窓にも
ステンドグラスが使ってある
煉瓦造で、単層屋根構成、切妻屋根、瓦葺き。
全長約40m、会堂幅約14m。

正面および左右側面中程に、低い切妻屋根の玄関及び出入口を突出するだけで、外観は比較的簡素。

出入口や窓など開口部は、全て半円アーチを基調とする。
アプローチ 正面
正面玄関 正面の板戸を見る
玄関部から会堂への入口は、正面が両内開き板戸となっており、その左右に片内開き板戸がある。

また、側面の出入ロも両内開き板戸となっている。
左右に、片内開き板戸 教会内では沈黙を守り静粛に
左右側面の窓は、側面の出入口を中心に、前後に4個ずつ、計8個が並んでいる。

両内開きガラス窓と両外開き鎧戸とが、1セットになっている。
側面の窓もステンドグラス
水色の鎧戸が印象的
背面
祭壇裏の上部は木造
水色の色使いが印象的 北東の道から見たところ
外海の教会は、長崎市内のゴシック建築の教会と比べると、台風や海からの強風に備えて屋根の傾斜がなだらかなのが特徴。

付属の鐘楼は、隠れキリシタンの帰依を願って渋谷神父により設置されたものとのこと。
写真左に、鐘楼


会堂内部の様子


内部はゴシック調
会堂平面は奥行きのある三廊式
左側廊部
側廊幅:12尺
主廊部
主廊幅:18尺、列桂間隔:11尺
右側廊部
チャーチオルガンがある
内陣部
多角形平面の主祭壇と両脇祭壇
主祭壇上部とステンドグラス
振り返って、正面入口の方を見る チャーチオルガン 左側廊と脇祭壇
天井は、主廊部、側廊部共に
板張り4分割リブ・ヴォールト天井
会堂一杯を覆う
のびやかな円形アーチ
内部列柱は角柱で、各面に半円形の付柱を有する。台座は隅切を
施した正方形の石造、柱頭は簡単な飾りを付した簡素なもの。
ステンドグラスが美しい 側面出入口上部のステンドグラス 窓のステンドグラス 正面入口



温泉めぐりモノグサ写真日記@九州  長崎県  2009年02月一覧


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