八尻鉱泉 八尻鉱泉湯

基本データ
URL
住所 鹿児島県南九州市川辺町上山田8665-17
電話番号 0993-57-3243
営業時間 7月〜9月 13:00〜20:00、10月〜6月 13:00〜19:00
定休日 火曜日
入浴料 大人(12歳以上)360円、11歳 150円、乳児・小人 100円
泉質 単純含鉄泉(低張性・酸性・冷鉱泉)
温泉分析書等 泉源名:八尻鉱泉、泉源所在地:川辺町上山田字八尻頭8665-18
使用施設所在地:川辺町上山田字八尻頭8665-17
泉温:20.6℃、性状:無色透明・酸味・無臭、pH2.8、
ラドン含有量:1.76(百億分の一キュリー単位)
成分総計:474.3mg/kg (温泉の分析年月日 S62.11.25)
備考 備品類 無し
訪問日 2009.5.16

大正時代から続く鉱泉で、切り傷、ソゲ抜き、胃腸病などに効くらしい。

八尻鉱泉へと続く山道は、対向車との離合(←全国区では通じない言葉!)が難しい場所も多い細いもの。「この先に、ホントに鉱泉なんて湧いてんの?」と思いながら延々と進んでいくと、やがて山の中の秘湯に辿り着く。

もっとも、秘湯といっても、アプローチ道路の要所、要所には、「八尻鉱泉湯」の黄色い道案内の看板が出されているし、カーナビにも登録されているから、道に迷うことはないだろう。

こんな山奥の鉱泉に、いったい誰が入りに来るのだろう?なんて思いつつ訪ねてみたら、考えが甘かった。駐車場に到着時、女湯からは賑やかな話し声が響いていた。夕刻の帰り道では、何台かの軽トラとすれ違う。たぶん一日の農作業や仕事を終えて、温泉に入りに行く人たちだろうが、よくぞ、まぁ、こんな山の中まで。それだけ効能あらたかな鉱泉で、地元の人たちに愛されているということなんだろうなぁ。



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このような林の中の道路を
延々と進んでいく
ここから先は、未舗装の坂道 “大正時代からの鉱泉”
ダートな坂道を のぼってゆくと… 波型スレートの建物が目に入る 写真右が入り口
ヤシの木にオオタニワタリ(?)が
自生しているのは、やはり南国
浴舎のさらに奥に
別棟の食堂&休憩室の建物
食堂
こちらで入浴料金を支払った
温泉入り口の柱に、入浴料は先払いしろとの張り紙があるので、同行者が2人分を奥の食堂に払いに行ったのだが、なにやらブスッとした表情で戻ってきた。なんでも愛想の悪いオヤジさんに、ホントに2人なのか?と言われたらしい。人数を誤魔化して受付に“申告”する人も、たまにはいるんだろうかねぇ。浴室内には、水を持ち帰るな、こちらも水で商売しとるんじゃといった内容の張り紙などもあるが、その表現の仕方などからも、何となくオーナーさんの人柄が窺えるような気もした。
温泉入り口
向って左が女湯、右が男湯
布袋さんか??? 食堂の裏手が
休憩室になっているようだ
ボイラー室


男 湯


脱衣場
入り口付近から浴室奥を見る
手前側の浴槽が源泉の水風呂
奥の浴槽が、沸かし湯 浴室奥から入り口側を見る 水風呂浴槽には、半分程の
高さまで水が溜めてあった
頭上には湯気抜き カランのみのシンプルな洗い場 壁面の注意書きの掲示 写真右下が源泉注ぎ口


女 湯


玄関入ってすぐ 鯛を抱えた大黒さん?
米俵にのった恵比須さん?
脱衣場に掲示の温泉分析書
脱衣場の様子

女湯は、7、8人の常連のお客さんで、まぁ賑やかなこと。入浴中のお婆ちゃんたちの四方山話は、尽きることが無い。とてもとても写真どころではなかった。浴室でトドる(=洗い場に寝そべる)習慣が一般的な鹿児島では、長風呂の人も多いのだが、湯治場の雰囲気の色濃いこちらでは、皆さん、最初からゆっくりする予定で来るのであろう、輪をかけて長風呂。沸かし湯の浴槽の奥(男女の仕切り壁側)の縁に座り込み、何杯も何杯も洗面器でお湯を汲んで、肩から かぶって、を繰り返しておられる。(そこだと、かぶったお湯は、再び浴槽に戻るので、お湯が減る心配はない。)それが、この鉱泉湯の入り方の流儀なのだろうと思いながら眺めていた。

源泉は、ごくわずかに薄く茶褐色に濁っているようにも見えるが、浴槽の底がコンクリートなので、そのせいかもしれない。分析書には無色透明と記載されている。少し湯の花が舞っているのが見られる。沸かし湯の湯口に飲泉用のコップが置いてあったけれども、お婆ちゃんたちに圧倒されてしまった私、湯口に近付くことさえ出来なかった。水風呂の方の水を、思い切って少し口に含んで味見してみたのだが(もちろん飲み込みはしない!)、これといって特徴も無いように感じた。ところが、後から温泉分析書を見てみると、ええーっ、pH2.8の酸性なの?!?!酸味なんて感じなかったように思うんだけどなぁ。

沸かし湯浴槽も水風呂浴槽も、基本は溜め湯のようだ。沸かし湯の方は、ときどき湯口から熱い湯が補充されるらしい。水風呂の方は、私が滞在している間には、新たな源泉が注がれることもなく、正直なところ、水がくたびれている印象も受けた。また、水風呂は、浴槽の半分ほどの高さしか張られていないので、肩までつかるには、寝そべるような格好になる。

しかし、沸かし湯と水風呂に交互に何度か入ると、湯上がりの肌はサラサラ、とてもスッキリ爽快で、なんのかんの言いながら、気持ちのよい鉱泉であった。




温泉めぐりモノグサ写真日記@九州  鹿児島県  2009年05月一覧


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