基本データ | |
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URL | 船小屋温泉郷公式WEB 炭酸泉/すずめ湯 |
住所 | 福岡県筑後市船小屋温泉郷内 |
電話番号 | 0942-52-2101(ホテル樋口軒内・船小屋温泉協会) |
営業時間 | 10:00〜17:00 (最終受付 16:00) |
定休日 | 木曜日 |
入浴料 | 350円(予定) 2010年3月中は体験入浴期間として無料 |
泉質 | 含鉄(U)・二酸化炭素−マグネシウム・ナトリウム−炭酸水素塩冷鉱泉(低張性・弱酸性・冷鉱泉) |
温泉分析書等 | 源泉名:船小屋鉱泉温泉 湧出地:筑後市大字尾島字東古賀原457-1 泉温:19.9℃、成分総計:2.235g/kg (温泉の分析年月日:平成21年12月3日) |
備考 | 炭酸泉の効能を検証するための実験施設として仮設されたもの。 |
訪問日 | 2010.3.5 |
2010年(平成22年)3月1日、船小屋温泉に、期待の公衆浴場「すずめ湯」が誕生した。
かつて船小屋温泉には2つの鉱泉浴場が開発され、有馬温泉にも似た赤湯を楽しむことができたと聞く。各旅館は鉱泉の内湯を持たないため、湯治客は、宿から鉱泉浴場まで通ったそうだ。しかし、明治から昭和初期まで湯治客で栄えた船小屋温泉も、他の温泉地の隆盛に伴って次第に衰退し、温泉地からは、いつしか鉱泉浴場も消えた。今では、日帰り客が炭酸泉に触れられるのは、モニュメント的に船小屋鉱泉源公園でグツグツ湧く源泉池と、飲泉場のみとなっていた。
そこで、昔の船小屋温泉郷の賑わいを取り戻すべく、筑後商工会議所が、九州大学や久留米高専との共同研究に取り組み、泉温19.9℃の鉱泉を、ゆっくり加温することで、お湯から炭酸ガスを極力逃がさずに入浴可能な温度にまで上げる設備を開発。仮設された実験浴場が、この度、晴れて一般市民にも開放される運びとなったというわけだ。
船小屋温泉 炭酸泉すずめ湯(公衆浴場)2010年3月5日撮影(1分20秒)
現地におられた筑後商工会議所の職員さんに伺ったところ、いずれは本格的な施設建設も視野に入れており、これから仮設浴場で実証データを集めて検証の後、県・市など行政に働きかけたいというお話。平成23年春には九州新幹線鹿児島ルート「筑後船小屋駅」の開業も控える。全国的にも珍しい炭酸泉が船小屋温泉の起爆剤になることを、私も一県民として祈りたい。
写真をクリックすると拡大表示、矢印キーでスライドします。
詳細は、こちらの新聞記事を見られたし。
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船小屋天然炭酸温泉 すずめ湯 |
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西から東を見る 写真右は 船小屋鉱泉源公園の受付テント |
南を見る 写真右奥は、樋口軒 |
受付テント | 簡単な住所、氏名、年齢を 記入して、番号札を受け取る |
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仮設というには立派な施設であるが、実験的な浴場のため、待合所や売店などは無い。 浴槽も5、6人サイズと狭いため、一度に入浴できる人数は制限され、また、入浴時間は、一人あたり30分以内となっている。希望者が多い場合は、受付で必要事項を記入し、順番を待つ。入浴後は、簡単なアンケート記入の協力を求められる。 なお、船小屋温泉で外来入浴を受け入れている「グランドホテル樋口軒」(通常800円)、「筑後船小屋公園の宿」(通常500円)の半額入浴券を貰える。 |
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お一人様30分以内 | |||
平日の午前中というのに、噂を聞きつけた大勢の人が、朝から入浴に来ていて、びっくり仰天。新しく誕生した「炭酸泉」に入る順番を、今や遅しと待つお客さんの姿、多数。受付で尋ねてみたら、入浴者は一日70人〜80人、多い日は100人を超すそうな。こりゃ無料で入れる体験入浴期間の2010年3月は、週末ともなると、大混雑するのではなかろうか。 |
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船小屋鉱泉源公園の受付横の階段を少し下って… | 南側が女湯浴室 | 北側が男湯浴室 | |
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船小屋温泉郷 天然炭酸温泉「すずめ湯」 (現地パネルより転載) 船小屋鉱泉は江戸時代末期(1810年)に発見され、体の傷や、貧血、胃腸虚弱に効果があることから、日露戦争時に陸軍指定の転地療養所に指定されるなど、「天与の霊泉」「天與の湯治場」として明治・大正・昭和にわたり繁栄していました。 しかし、高濃度炭酸泉でありながら、冷泉(20℃前後)であったため炭酸の効能が十分活かされないまま現在に至っておりました。 そこで昔のような温泉地としての賑わいを取り戻すための第一歩として、平成21年度に国・福岡県・筑後市・船小屋温泉協会の支援、協力を受け、国立大学法人「九州大学KSTC」、国立「久留米工業高等専門学校」の技術提供を得て炭酸がぬけない加温装置を開発し、この度「すずめ湯」としてオープンしました。 日本で数少ない炭酸温泉ですので今後もご利用をお願いいたします。 平成22年1月 筑後商工会議所 平成21年度 地域資源∞全国展開プロジェクト(船小屋温泉郷再生事業) |
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現地パネル | |||
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3月1日オープン! | すずめ湯で使われる源泉は、飲泉場や船小屋鉱泉源公園と同じ船小屋鉱泉、自噴泉。 船小屋鉱泉の源泉は、平成21年12月の分析で、遊離二酸化炭素(CO2)1,211mg/kgを含む立派な炭酸泉(二酸化炭素泉)。この炭酸は、火山ガスではなく、生物を起源とするものだそうである。 また、Ca2+37.4mg/kg、Mg2+53.6mg/kg、Na+82.3mg/kg、Fe2+26.4mg/kgなど、ミネラル分も豊富。 しかし、炭酸泉に含まれる炭酸ガスは非常にデリケートなもので、ボイラーで急激に加温すると、ほとんど気化して抜けてしまい、炭酸泉の本来の効果は期待できない。 今回、開発された装置は、ゆっくり加温することで、理論上、温泉水1リットル中、最大1,100mgという高濃度の炭酸を残すことが可能だという。その方法は、読売新聞の記事には、「温めた砂を入れたパイプの中に炭酸泉を通し、じっくりと加熱する」と書かれている。 ちょうど現地に筑後商工会議所の職員さんがおられたので、どうやって加温しているのか、質問してみた。その説明によると、真水を50℃まで加温し、砂利が詰まっている管に通す。その管は複数あり、その周りに19.9℃の源泉を流すことによって、熱交換器の原理で、じんわり湯温を上げるのだとか。もしかしたら私の聞き間違い、理解力不足もあるかもしれないので、もし、情報が正確性を欠く場合は、ご教示賜れれば幸い。いつか実際に、装置の中を覗かせてもらう機会がないかなー。 |
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裏から | |||
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女湯浴室横の加温設備 |
温泉めぐりモノグサ写真日記@九州 福岡県 2010年03月一覧