船小屋ラムネ湯 鉱泉足湯

基本データ
URL
住所 福岡県筑後市大字北長田803
電話番号
営業時間
定休日
入浴料 無料
泉質 含鉄(U)・二酸化炭素−マグネシウム・ナトリウム−炭酸水素塩冷鉱泉(低張性・弱酸性・冷鉱泉)
温泉分析書等 (船小屋鉱泉場、すずめ湯と同じ船小屋鉱泉)
備考 船小屋TAKEMATU所有の足湯、イベント等のときに溜められる
訪問日 2010.3.5

「船小屋温泉共和国」という温泉つき宿泊施設が、以前、船小屋鉱泉場(水汲み場)の東側にあったのだが、経営母体である「英彦山湯−遊−共和国(株)」(福岡県田川郡川崎町)の破産により、こちらも2007年9月に閉鎖された。

その跡地を買い取り、朝起き会で知られる某団体の研修会館として、2009年にリニューアルされたものが、こちら「船小屋TAKEMATU」で、玄関先に、「鉱泉足湯」がつくられている。

この日は、週に一度の早朝6時からの経営者モーニングセミナーが開催される曜日だったとか。それを終えた職員さんが、ちょうど建物の外に出てこられたので、色々お話を伺ってみるついでに、足湯を興味津々と覗かせてもらっていたら、気さくな代表者(?)の女性が出てこられて、親切なことに、急遽、掃除して、特別に足湯を溜めてくださった。足湯が出来た当初は、物珍しさもあり、毎日のようにお湯を張っていたけれども、現在は、ふだんは、イベント等があるときだけ、お湯を溜めているそうだ。



写真をクリックすると拡大表示、矢印キーでスライドします。


船小屋鉱泉場の東側、船小屋温泉共和国だった建物 船小屋ラムネ湯 鉱泉足湯
研修施設が所有する足湯
立派な足湯だ

源泉の引き方は、いたって単純明快(笑) 鉱泉場(水汲み場)から足湯まで、ホースで引っ張られている。

加温方法は工夫されており、船小屋鉱泉に含まれる炭酸ガスを、できるだけ逃がさないように考えてある。

真水をボイラーで50℃まで沸かし、パイプに通して循環させる。そのパイプは、足湯の桶の底面、スノコの下に配してあり、上から注がれる源泉(泉温19.9℃)を、熱交換器の原理で、じんわり、ゆっくりと温める仕組みだ。

「すずめ湯」のお湯は、鉄分が酸化し、真っ赤になっている。使われている源泉は、同じ船小屋鉱泉なのだが、こちらの足湯は、非常に新鮮な状態のため、色は無色透明!!
鉱泉場から足湯に延びる
青いホースが、見える?
飲泉場から引かれた源泉が
ホースで注ぎこまれる
足湯(溜めている途中) 手前の2本のパイプの中を
50℃のお湯が循環
お湯を50℃まで沸かすボイラー 玄関脇のボイラー操作パネル 底のスノコの下を、50℃の湯が
循環するパイプが通っている
足湯から流れ込む下の浴槽は
酸化して茶色になった水
お湯がいっぱいになるまで、じっくり小一時間 泡、あわ、アワ!!! すごいねぇ〜。肌が紅潮している。
足湯が桶いっぱいに溜まるまで、小一時間。その間、代表者のお母さんとお喋りしながら、のんびり足湯。

温度は低めだが、じっくり、ゆっくり足をつけていると、次第にポカポカしてくる。
医学的に研究された炭酸泉の効果が、パネルして掲示してある 船小屋鉱泉場の建屋を見る

末梢の血行が良くなって、皮膚が紅潮してくるのが、わかる。泡つきにも、びっくり。ついでに手もつけてみたら、あっという間に炭酸の泡に包まれた。お母さんいわく、これでも「今日は泡つきが少ないねぇ。」

2009年12月の分析では、遊離二酸化炭素1,211mg/kgとなっているが、2009年5月に久留米高専が船小屋温泉の井戸で行った調査では、1リットル中平均1,230mgの炭酸ガスを確認しており、源泉であれば1,800mg程度のガスがあると考えられるとか。これぞ船小屋温泉の本来のパワーなのだな、と、感心しきり。この足湯浴槽に、全身入浴してみたい〜。

午前10時オープンの「すずめ湯」に入るため、張り切り過ぎて(?)2時間前の午前8時には現地到着。どうやって時間を潰そうかという心配は無用で、結果として、待ち時間に、とても貴重な体験をさせていただいた。これぞ「早起きは三文の徳」?!



おまけ : 館内の様子


ちょうどお雛様を飾っているから、見ていきなさいというお母さんの言葉に甘え、館内を案内していただく。

船小屋温泉共和国は、私は日帰り入浴しかしたことがなく、宿泊階の様子まで知らないけれども、内部も、たいへん綺麗に改装され、同じ建物とは思えぬ変わりよう。

お茶までご馳走になって、ゆっくりさせていただいた。
フロント 1階ホール
木目込みのお雛様と
十二支人形
玄関ホールの「さげもん」 広々とした会議室(研修室)

休憩室を一室使い、お雛様が賑やかに飾ってある。今年、船小屋で「さげもん」を見られるなんて、想像もしていなかった!!これも「早起きは三文の徳」?気持ちが華やぐね。

お母さんは柳川の方だそうで、これらのお雛様は、もともとお孫さんたちのために揃えたものだとか。それぞれの内裏雛と孫の顔が、不思議と似てるんですよね〜と、目を細めて話される優しい顔からも、お孫さんへの愛情が感じられた。
ボケが活けてあった
屋上からの眺め
黄色矢印は、九州新幹線鹿児島ルートの高架
矢部側の上流川を見る 中ノ島公園の大樟樹林は
船小屋温泉郷のシンボルの1つ
矢部川に面して建っているので、南側の窓のすぐ外には、矢部川の清流を眺められる。

屋上にも案内していただいたが、平成23年春に開通予定の九州新幹線鹿児島ルートの高架が、遠く西に見えていた。「筑後船小屋駅」が出来る位置など、説明してもらう。

現在の赤橋「船小屋温泉大橋」(国道209号線)と、船小屋温泉と中ノ島公園を結ぶ「がたがた橋」も見えている。中ノ島公園には、樹齢300年以上の大クスが1,300本、一大樹林を形成しており、国の天然記念物にも指定されている。
下流側を見る
ガタガタ橋と、船小屋温泉大橋

通称ガタガタ橋も、船小屋温泉のシンボルの一つ。コンクリートの橋脚の上に、鉄のロープで繋がれた木製の橋板がのっている原始的な構造。矢部川が増水し、橋の高さを超えると、橋板が浮き上がって川の両岸に分かれ、川の水位が戻ると、流された橋板を、職人さんが橋脚の上に戻して架け直す橋で、昭和38年(1963年)架橋だそうだ。2007年の大雨で橋脚が壊れ、長らく放置してあったが、2009年2月に復旧し、再び歩いて渡ることができるようになっている。

(参考)船小屋温泉の観光シンボル「ガタガタ橋」修復終了 1年半ぶり 地元から喜びの声 筑後市 (2009/02/20 西日本新聞)




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