永和温泉 吉野屋温泉みそぎ湯

基本データ
URL (参考)永和温泉開発株式会社
住所 愛知県愛西市大井町浦田面686
電話番号 0567-31-0146 (吉野屋)
営業時間 7:00〜21:30
定休日
入浴料 みそぎ料として 200円
泉質 ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩温泉
(低張性弱アルカリ性高温泉)
温泉分析書等 源泉名:永和温泉、湧出地:愛西市大井町浦田面482番地
湧出地における調査及び試験年月日:平成18年6月20日
泉温:48.5℃、湧出量:1300L/min(動力)
知覚的試験:殆ど無色、澄明、殆ど無臭、極微塩味、pH値:7.7
ラドン(Rn):未測定、成分総計:1.291g/kg(平成18年7月4日)
備考 信者専用温泉、信者以外の者は吉野屋でお願いすること
訪問日 2011.2.11

東海オフ会にて、machikane幹事さんに案内されて、訪問。私も、楽しみにしていた温泉。

というのも、こちら「みそぎの湯」は、温泉チャンピオン郡司勇氏の著書『秘湯、珍湯、怪湯を行く!』(角川oneテーマ21)の中でも、「変わり種」温泉の一つとして紹介されており、それを読んで興味を持っていたからだ。【参考】郡司勇の温泉サイト 愛知県と三重県の温泉 3ヶ所

浴舎は平成19年に改装されたようで、トイレなどは綺麗になっている。しかし、出迎えてくれるマネキンや、波板の浴室のコンクリート浴槽の佇まいは、依然として強烈な個性を放っており、マニア垂涎の「怪しい」雰囲気が保たれていて、私達も楽しませていただいた。もっとも、「怪しい」といっても、きっちり愛知県の公衆浴場営業許可を得ておられる歴とした温泉であることを、忘れず書き添えておく。

基本的には、「成田山 霊観不動教会教会」の信者専用温泉。しかし、インターネット上でも、多数、紹介されるようになった背景も加わり、いまや全国区で有名な秘湯(?)となっている。ご主人(会長さん)は、パソコン(インターネット)は、まったくしないそうで、それらを直接ご覧になったことはないそうだが、「まぁ、楽しんで入ってもらえたら、いいと思ってます。」と、おおらかに微笑まれた。思うに、いろんな“巡礼者”を全国から招き寄せ、縁を作ってくれているのも、「神様」のご利益かも?

お喋り好きでも有名らしいご主人は、お茶目で親切な男性で、笑顔がチャーミング。後日、ちょいと用事があったため電話したところ、ついでに色々と興味深い話を聞かせてくださり、とても楽しかった。このページに、その一部を記しておきたい。いつか将来、この近辺を再訪できる折には、ぜひ再び参詣と入浴に立ち寄らせてもらいたいものだ。



写真をクリックすると拡大表示、矢印キーでスライドします。


最初に、この地で「神様を始めた」(ご主人の言葉ママ)のは現会長のお父上で、昭和47年頃。なんでも「神様をやっていた」お父上は、この近隣の温泉の地鎮祭なども執り行われたんだって。

ちなみに、「吉野屋」という屋号は、奈良県の吉野から、とられたもの。お父上が修行に行かれたのが大峰山だったことに由来する。現在では世界遺産にもなっている「大峰奥駈道」は、今から約1300年前、役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたといわれる修験道の修行の道であり、奈良県・吉野から和歌山県・本宮大社へと続く。標高1,500mを超える山々の頂を結ぶ険しい道として、知られる。

昭和55年に先代が亡くなられてから、ご主人が後を継ぎ、現在に至るそうだ。お父上の代から、38年もの長きにわたり、大事に守り続けてこられた教会と温泉である話に、なにか、しみじみと心に沁みる感銘を受けた。
会長さんも加わっていただき
みんなで記念撮影!
こちらが吉野屋の店舗
衣料品店らしい 店舗の隣りに
教会の建物
ご主人は、四国八十八箇所霊場巡りを、すでに7回満願成就されており、近いうちに8回目に出かけられる予定とのこと。目標は10回、その後は、余裕があれば出かけたいという。「なかなか真似できない偉業ですね。」と感心すると、「温泉好きな方が遠くから来られるのと同じですよ。」と、お笑いになった。まったく苦にならない巡礼のようである。

現在は、一日8回、お堂で般若心経と不動経をお勤めするのが日課とのこと。お店の仕事を続けながらの「行」は、なかなかご苦労もあられるようだが、ぜひお体に気を付けて、ご精進いただきたいものである。
郡司さんのことは、かなり親しく感じていらっしゃるようで、お喋りの中にも、氏の名前が登場する。「そりゃ、夜中にマネキンが立っていたら、ビックリもするわねぇ、アハハ!」と、愉快そうに笑われる。詳しくは、氏の著書を読まれたし。

教会にマネキンを置いている理由をお尋ねしてみたら、「神様よ。人を招く神様、アハハ!」もともとは、お店にあったマネキンで、「私の代わりです。私の代わりに、ここで行をしてくれてるんですよ。」との説明、なるほど。

半袈裟に、手には数珠を持ち、帽子もかぶって用意周到のマネキンの女神(?)様は、白装束姿なのだが、よく見ると、お召しになっているのは、白い学校用体操服。活動的な神様のようである。お店で扱っている商品だろう。ご主人の代わりに、身じろぎ、瞬き一つせず、ここで参詣者を温かく見守っていると考えると、不気味さも薄らぐ…のかいな?
成田山 霊観不動教会 祭壇の様子
きちんとお参りしてね
全国的に有名な(?)
白装束マネキンの神様
「みそぎ料」(入浴料)は
こちらの賽銭箱に
手水に使われているのも
源泉のようだ
お堂の横から… この細い通路を通り…
ちょうどお堂の裏側に回ると、浴舎の入り口 浴舎は改築されており、綺麗にしている
浴室入り口付近
向かって左が男、右が女
公衆浴場営業許可証 「神様の温泉です」 「信者の専用の温泉」
「永和温泉より源泉かけ流し」
神様に祈願して入浴されたし
たくさんの張り紙も、温泉の味わい(?)を増している おまけ
近鉄名古屋線の列車


男 湯


男湯入り口側を見る
簡素な浴室は、壁も天井も波板で葺かれている。コンクリート製のシンプルな浴槽が3つ並んでおり、湯口に近いところから、高温、中温、低温と温度勾配がある。

「毎月5万円で」引かれている永和温泉(掘削1250m)が開発されたのは、昭和43年。爾来、この近所では、一般家庭にも温泉が供給されているという。

吉野屋に温泉が引かれたのは、先代の時代、昭和48年頃。最初は、木造の川船を並べて、湯船にしていたそうだ。この辺りは海抜0m地帯。非常に水に恵まれた水郷ゆえ、昔は多くの川船が行き来していたんだって。

しかし、外からの水には強い船も、四六時中お湯を溜めて使っていると、さすがに腐ってしまい、昭和54年にコンクリートの浴槽にやり変え、その湯船が、現在も使い続けられているとのこと。
湯口 ※この写真は星さんに
お借りしました

ただでさえ年季が入ったシロモノ、また、源泉に含まれる硫黄分によってパイプや浴場施設が痛むのだそうで、湯船のお手入れにも、なかなか苦労しておられる様子。ちょこちょこ水漏れなども起きるらしい。「掃除もですね、し過ぎると、お湯が漏れるので、難しいんです。」…ん、どういうこと???なんでも先般、車用の高圧洗浄機で掃除してみたところ、目地の詰め物が取れてしまって、修理を要する事態に陥ったらしい。修理も、もちろんご主人の手仕事。



女 湯


女湯入口側を見る 脱衣場
脱衣場から浴室の方を見る
手前ホースからも
源泉が掛け流されている
一番ぬるい浴槽 浴室奥から
脱衣場の方を見る
かけ流されている源泉は、ごく薄っすら黄色を帯びており、僅かにモール臭を感じる。ツルツル感のある極上のお湯で、すこぶる気持ちが良い。寒い日だったので、全体的に、ぬるめだったのかもしれないが、湯口に一番近い浴槽にいると適温で、ポカポカよく温まった。

加温・加水など一切されていない、純然たる掛け流し温泉。泉源から「みそぎ湯」までの配管は、「1kmまでは無いが、1km近い」距離がある。パイプが道路の下の浅いところを通っているため、アスファルトが焼ける夏場は、途中で、その熱に温められて、湯船での温度が45〜46℃になることもあるそうだ。熱いお湯が苦手な人には、厳しい温度。

でも、余計な手が加えられず、そういうところからも四季の移ろいを感じることができる温泉って、逆に、天然自然で、いいなぁ〜、なんて思ってみたり。

洗い場は、これだけ
ポリカ波板で葺かれた
天井を見上げる



温泉めぐりモノグサ写真日記@九州  愛知県


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